「ピンクのローターちゃんじゃ、物足りないのよね…」
昨夜も試してみたけれど、やっぱり何かが足りない。震えは悪くないけど、単調なリズムが次第に飽きてしまう。胸の奥で渦巻く満たされない渇望。それを感じるたび、友人・優香が熱心に語っていた「電動ディルド ピストンバイブ」のことを思い出す。
「あれ、すごいんだって。上下に動く感じが、もう本物超えっていうか…」と優香は頬を赤らめながら言っていた。その熱の籠もった声を思い出すと、私の興味も抑えられなくなった。
パソコンを開き、Fanzaの通販サイトで「ピストンバイブ」と検索する。次々と表示される商品一覧。その中で目を引いたのは、「電動ディルド ピストンバイブ 7段階伸縮振動モード 3cm上下伸縮 遠隔操作 リモコンバイブ 吸盤付き Gスポット刺激」というタイトルの商品だった。
商品ページに飛ぶと、鮮明な写真と細かい説明文が目に飛び込んでくる。
「リアルな外観+適度なサイズ…」その言葉を目で追うだけで、心が少しずつ熱くなっていくのがわかる。画像には艶めかしい形状が映し出されており、それが私の想像をかき立てる。「これは…すごそう。」
気がつくと、カートに入れ、ポチっと注文ボタンを押していた。2~3日で届くと書いてある。指先で画面を閉じると同時に、心の奥底で渇望が一層強まるのを感じる。
「届くまでの間は、ローターちゃんで我慢するしかないか…」
でも、その小さな振動が今夜はどこまで私を満たしてくれるのか。そんな期待と焦りを胸に、私はベッドへ向かった。
次の日、朝から妙に落ち着かない。授業中もふと頭をよぎるのは、あの商品が届いた時のことばかり。あの説明文の「リアル感」や「絶妙な快感」という言葉が耳の奥で反響する。
帰宅後、荷物の到着予定を確認すると、あと1日か2日かかりそうだと分かる。思わず溜め息をつきながら、ベッドサイドのピンクのローターに目をやる。
「今日もお願いね、ローターちゃん…」
再び夜が訪れ、暗闇の中で振動音だけが響く。ピンクのローターを手に取り、そっと秘部に当ててスイッチを入れると、微かな震えが広がる。
「んっ…」甘い吐息が漏れるけれど、心はどこか満たされない。優香の話していたような強烈な刺激には程遠い。それでも、何とか気持ちを高めようと、振動の強さを上げてみる。
**ブゥゥゥ…**と震えが強くなる音に合わせて腰を揺らす。だが、心のどこかで待ち遠しさが大きくなりすぎていて、快感が思うように高まらない。「届いたら…どんな感じなんだろう…」その思いが頭を離れない。
ついに待ち望んだ日が来た。ドアベルの音が鳴ると同時に、心臓が高鳴る。荷物を受け取り、部屋に戻る足取りは軽い。小さな箱を慎重に開けると、中には期待通りのピストンバイブが収まっていた。
手に取ると、その重量感とリアルな質感に思わず頬が熱くなる。「これが…あの強烈なやつ…」その感触を確かめるように、指で亀頭の形をなぞると、少し柔らかく、弾力がある素材が心地良い。
説明書を読みながらスイッチを入れると、ブゥン、ブゥンと力強い振動が始まる。そして、上下に動く機構が小刻みに動き出す様子を見て、身体が期待に震えるのを感じた。
「これから…よろしくね。」私はその新しい扉を開ける準備ができていた。