昨日の余韻がまだ身体に染み付いているような気がして、朝からどこか身体が敏感だった。大学へ向かうために混み合った電車に乗り込むと、周囲の人々の気配や、わずかな体温の伝わりさえもいつも以上に強く感じる。
車内はぎゅうぎゅう詰めで、手すりに掴まることも難しいほどだった。人の波に押され、揺られるたびに身体が他人と密着する。仕方がないと思いつつも、ふと背後に違和感を覚えた。
「…なに?」
お尻に何かが触れる感覚。最初は気のせいかと思ったが、次第にその感覚が明確になっていく。薄手のスカート越しに、指先が触れるような感触。それが動き出し、まるで撫でるように、私の身体を探る動きに変わった。
ゾワリ…
不快感が背筋を駆け抜ける。咄嗟に振り返ろうとするも、混雑した車内では身動きが取れず、声を上げる勇気も出ない。手で払うようにして、相手の動きを止めようとする。
次の駅に到着すると同時に、私は迷わず電車を降りた。ホームの空気が冷たく感じられ、息が荒れていることに気付く。
「…最悪。」
心の中でそう呟きながら、駅のトイレへと向かった。鏡に映る自分の顔は赤らみ、怒りや羞恥心、そしてどこか抑えきれない感覚が混じり合った複雑な表情をしていた。
トイレの個室に入ると、ドアを閉めた瞬間、緊張の糸が切れるように全身から力が抜けた。ふと、自分の胸が大きく上下しているのを感じる。心臓がドクンドクンと速いリズムで鼓動を打ち、手のひらには微かな汗が滲んでいる。
「どうして…」
不快だったはずの感触が、なぜか頭から離れない。冷静になろうとするほど、薄手のスカート越しに感じた指先の動きがリアルに蘇る。その記憶を振り払いたいのに、身体の芯が熱を持ち始めているのを止められなかった。
座ったままスカートを軽く持ち上げると、太ももに触れる指先が自分のものとは思えないほど敏感だった。昨夜の余韻がまだ身体に残っているせいだろうか。秘部に意識が集中し、下着越しに軽く触れてみると、もう既に湿り気を帯びているのを感じた。
「あ…」
思わず漏れた声を押し殺し、指を止めようとするが、熱がじわじわと広がり、触れたい衝動が抑えられない。トイレの個室という状況にも関わらず、自分の中で渦巻く欲望に翻弄されていた。
周囲の物音がかすかに聞こえる中、私は下着をずらし、そっと秘部に触れた。指先が軽く滑るたび、身体が小さく震えた。触れるたびに、昨日感じた甘美な快感が蘇り、さらに熱が高まっていく。
「んっ…だめ…」
声を押し殺しながら、指先がリズムを刻む。さっきまでの不快感が完全に消え去り、今では自分の手の動きに没頭している自分がいた。
**ジュプ…ジュプ…**と濡れた音が耳に響くたび、羞恥心が薄れていく。誰かに見つかるかもしれないというスリルが、快感をさらに増幅させた。
「あぁっ…!」
最後の瞬間、全身が弓なりに反り返り、指先から伝わる熱が全身を駆け巡った。絶頂の余韻が長く続き、私は個室の壁にもたれかかりながら、荒い息を整える。
「…こんなところで…何やってるんだろう。」
それでも、身体は満たされ、心は軽くなっていた。熱が冷めた頃、私は静かに立ち上がり、もう一度鏡の前で自分を見つめた。そして、今日も一日が始まるのだと、自分に言い聞かせるように微笑んだ。